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大場明美

てらこや新都心代表理事

お母さんと子どものために

 

  • 角田 最近、「てらこや新都心」の活動を広報する「てらこや新聞」を拝見する機会がありました。そこで今月はこのてらこや新都心を運営されている大場さんにお話しを伺おうと思いました。よろしくお願い致します。まず、この活動をはじめられた経緯とはどんなことだったのでしょうか。

    大場 経緯と言うほど大げさなものではないんですが、両親を看取って、子どももみんな独立しました。まだ動ける余力が自分にはあったので、父も母も住まなくなったこの家をどう使おうかと考えたんです。

    角田 大きな家ですからね

    大場 はい。その時に自分の子育て期間を考えたときに、やり残した感があったり、うまくいかなかったことがあったりしました。

    角田 なるほど。でも子育てに100%正解もなければ、充分やったと思える人はほとんどいないように思いますね。

    大場 私には娘が3人います。失敗したとは思っていないんですが、それでも反省はたくさんあります。それをよそのお子さんでやり直しているのかな。ずっと悩んでいたことも、ちょっと誰かに気持ちを伝えたら、「なんだみんな一緒なんだ」って思えたんですね。

    角田 子育ての悩みって、みんな同じ事を思っているんでしょうね。なるほど、それが原動力となったんですね。

    大場 そうですね。あとは自立したかったという気持ちもあったと思いますね。

    角田 自立ですか。

    大場 私も昭和の親を持つ昭和世代の子どもです。その頃は、やはり女性は結婚して陰にいるものだという意識がありましたよね。でもそうじゃなくて自分の人生をちゃんと生きてもいいんじゃないかという想いがありました。結婚生活もやり遂げたし、子どもも育てた。まだ行けるなという感じでしたね。

    角田 さきほど子育ての中で、悩みがあったというようなお話しがありましたが、具体的はどのようなことがありましたか。

    大場 まず社会生活ですよね、学校の関係もそうですが、常に規制の中で生きています。それから先生だったり学校の価値基準の中で生きていて、そこに到達をしないとダメな子っていうのは今もあると思うんですけど、それにとても縛られていて、良いお母さんであろうとするほど自分もそこに縛られて子どもを窮屈にしていたんじゃないかというのがありましたね。それは、自分が子どもの時もイヤだったのに、また同じ事を繰り返しているんです。もう少し子どもを自由に育てても、きちんとした子どもに育てることが出来たんじゃないかなと思いました。

    角田 なるほどね。

    大場 お母さんって、クラスに入ったら、よその子と比べちゃうんですよね。自分の子は、これができない、あれが出来ないって。でも出来る事もあるんだからもっと褒めてあげれば良いのに。ではどうしたらいいんだろうっていうことで塾に入れたりします。

    角田 学校のルールに従わせてしまう方が楽だという意識がありますよね。それに皆が塾に行くのであれば自分の子も塾に行かせた方が安心できるという気持ちがありますね。そういうのが広がっていくと結局、画一的なものになってしまうということなんでしょうか。

    大場 そうですね、日本独特の文化というか

    角田 ちょっと話を変えて、オリンピックの選手や、音楽家などを考えてみると、一流の人たちというのは3歳とか4歳くらいから始めていたりしますね。でも、こんなに幼い子どもが自分から考えて、それをやりたいと行ったのではなくて、親が押しつけてきたんじゃないかと思うんです。

    大場 そうなんですよね。

    角田 押しつけられたものであっても、何となく気に入って続けられた場合に一流の人になったのかな。

    大場 まあ、うまくいけばですよね。実際は大変厳しくスパルタでたたき込んでいると思いますよ。

    角田 そういう子育てって、どうお考えですか。

    大場 疲れますでしょうね、親のほうが。私にも多少それはあったんですが、例えば早くからスイミング教室に行ったとしても、どれだけの子がオリンピックに出られるようになるんでしょうか。じゃあ何のためにスイミングをやっているんだという話にもなってきますね。

    角田 確かにそうですね。オリンピックでメダルを取ったり、音楽の国際コンクールで優勝したりというのは、ほんの一握りの人であって、大多数は途中で終わっているはずなんですよね。

    大場 身近な例ですが私の長女がピアノを練習していまして、音楽大学にも進みました。頑張りましたので奨学金を受けたり、大学から海外に行かせていただけるくらいだったんです。

    角田 それはすごい。

    大場 ところが英語に目覚めまして、ピアノ教室の教師をやりながら学費を稼いで英語の学校にも通いました。そのためにイギリスに行ってしまったんです。

    角田 行動的なお嬢さんだ。優秀ですごいですね。

    大場 ところが彼女が私達に言った言葉が「お母さんとお父さんから植え付けられた価値観を遠いところに行って手放したい」でした。

    角田 凄いこと言われましたね。

    大場 こんなこと言われて倒れそうでしたよ。でもそれが私にとっての子育てで子離れする良いタイミングなんだなと思いました。でも数年経って帰って来たときに「植え付けられた価値観だったけど、それを選んだのも自分だった」って言ってくれたんです。

  • 角田 きちんと成長してくれましたね。

    大場 はい。いまは出会った方とスペインで暮らしています。

    角田 見えない部分で相当の努力や苦労があったんだと思いますよ。

    大場 そうですね、それで私も頑張らなければと言うことで、子育て中のお母さんを見守り、働いているお母さんのお子さんをお預かりしています。

    角田 学童保育のような感じですか。

    大場 学童保育とは違うんです。それは行政のやることですので、かなり縛りがきついですね。私はちょっと先輩のお母さんとして子どもの見守りをしています。学研というツールも入っているんですが、そこの先生と一緒に運営をしながら自由遊びを基本にしています。子ども達が自分で考えて作ったことで行動する。そこから出てきたことも自分で受け止めてっていうことをしながら成長させていきたいなって考えています。学校では絶対に出来ない体験をさせようと思っています。

    角田 と言うことはつまり、子育て中のお母さんの手助けもするけれども、子ども自身にも何か1つ目的のような物を見つけてもらいたいというような両方を兼ねた活動をされているということですね。

    大場 そうです。で、子どもラボという活動があるんですが、これは午後3時から6時まで土日を除いた毎日行っています。

    角田 これは誰でも参加することが出来るんですか。

    大場 会員制でやっています。

    角田 つまり会員にならないとここに通ってくることは出来ないんですね。

    大場 そうなんです。一応、アレルギーとか緊急連絡先などの個人情報もありますので会員になっていただいた上で責任を持って活動すると言うことです。

    角田 会員は現在でも募集されていますか。

    大場 はい、随時募集しています。

    角田 定員もあるんでしょうね。

    大場 はい、あります。現在は72名くらいの会員さんがいますが、常にこれだけの人数が訪れるわけではありません。常時使うのは12~3名ですから余裕はあります。今のお子さんはお忙しくて(笑)。

    角田 当然費用もかかりますよね。

    大場 1家族1年間で1000円だけ頂いています。

    角田 えっ? それじゃ大変じゃないですか。1家族っていうことは、子どもが兄弟で2人、3人来ても、1年間で1000円だけって、すごいですね。それじゃ、やっていくなくなりませんか。

    大場 そうなんですが、有り難いことに、「てらこや新都心」というのは一般社団法人になっていますが、一部カフェ運営をしていますが、これは居抜きで店を貸していますから、その家賃が入ります。それと、この家は部屋数が多いので4部屋をテナントに貸しています。そういう方々も家賃を入れて下さいます。さらに奥の部屋では絵本セラピーというワークショップを開催したりしています。これも低額ではありますが費用を頂いています。

    角田 なるほど、そのようなものがあるから1家族1年間1000円でもやっていけるわけだ。

    大場 そうですね。あと「子どもラボ」っていうのは、NPO法人になっています。「てらこや新都心」は一般社団法人ですが、その中の3時から5時までの枠をNPO法人が使っているという形ですね。どちらも私が代表なんですが、NPOは寄付金を受けることもできるんです。お母さんによっては年間での寄付をしていただけたりしています。そのほかお菓子やお米なども寄付していただいたりしています。

    角田 ほう、お米などもですか。

    大場 私達は子ども食堂もやっているんです。ただ、これは現在、コロナ過ということでちょっとお休みをしています。

    角田 ところで「子どもラボ」というのはどのような活動をしているんですか。

    大場 「街の先生」と称して例えば工作が得意な人が来るとか、卓球の上手な人が来る、あるいは縫い物が得意な人などを先生として若干の謝礼をお渡しして、学校では出来ない体験を子ども達にしてもらうわけです。

    角田 それ、いいですね。

    大場 はい、それをしていたんですが、コロナ過の中、工作が得意な先生が東京に転勤になってしまいました。結局県境をまたぐことができないということで、今はお休み状態です。そこで、今日来ているメンバーの中で、「私が出来ること」などを突発的にやろうということになっています。この中でやっているわけです。

    角田 それもいいじゃないですか。

    大場 はい。事前に今月行う事を告知したりしていましたが、そうすると来たい子どもが集中してしまうんです。そうすると密になってしまいますので、今日出来る事をやってしまおうというのも形としては良いのかなとも思います。でも、子どもですから結局は密になって遊んじゃうんですけどね(笑)。

    角田 確かにね、子どもってくっつきますよね。

    大場 押し入れの中で本を読んだり。基地遊びのようなものが好きなんですね。くっついて遊んでいるんです。

    角田 それが子どもですよね。

    大場 冬の間も開けっ放しにしています。そして最低限、マスクと手洗い、消毒を厳しくしています。子ども達も習慣になっていますね。

    角田 素晴らしい活動ですね。これからも頑張って子どもとお母さんの力になっていただければと思います。いまでも会員の募集はされているということですが、申込は電話ですか。

    大場 お電話の場合は048(627)2411にお問い合わせ下さい。メールの場合はinfo@terkoya-labo.orgです。またホームページもありますのでご覧いただければと思います。またお手紙の場合は住所がさいたま市大宮区北袋町1の285です。

    角田 ホーページのアドレスは?

    大場 https://terakoya-labo.orgです。フェイスブックはhttps://www.facebook.com/terakoyalab

    角田 今日はお忙しいところをありがとうございました。ますますのご活躍を期待しています。